The Kindred of the Kibbo Kift: Intellectual Barbarians

 

第一次世界大戦後の余波の中、1920年にイギリスで一人の男ジョン・ハーグレイブが新組織 「The Kindred of the Kibbo Kift (キンドレッド・オブ・キボ・キフト)」を創設した。キャンプやハイキング、手工芸などの活動を通じて健全育成を目指す一方で、複雑な思想を説き、人里離れた自然の中で奇妙な衣裳に身を包み儀式を行う謎の多い集団であった。

 

本書「The Kindred of the Kibbo Kift: Intellectual Barbarians(訳:キボ・キフト~知的な 野蛮人たち~)」では、結成された1920年から一つの節目となった1932年までの期間に彼らが自らの手で制作した品々や、キャンプやパレード、儀式の記録写真など100点を超える写真を収録し、彼らが用いた独創的なデザインに焦点を当てている。

 

The Kindred of the Kibbo Kift: Intellectual Barbarians is the first full-length work to explore the innovative cultural production of the English camping and hiking organization (1920-1932). Founded after the First World War as a reaction to militarism in scouting, Kibbo Kift developed into an all-ages organization for men and women. It attracted the support of a range of high-profile writers, artists, scientists and campaigners from DH Lawrence to HG Wells. Underpinned by a complex, distinctive philosophy, Kibbo Kift's practices were wide-ranging, extending across health and handicraft, pacifism and propaganda, myth and magic, education and economics. These ambitious ideas can be seen most clearly in the group's mystical and modernist art and design.

 

The Kindred of the Kibbo Kift: Intellectual Barbarians features over 100 largely unseen examples of the group's accomplished creative output. These include decorated tents, campaign banners, illuminated manuscripts, protest graphics, carved totems and ceremonial attire alongside previously unpublished photographs by Angus McBean. The textual content, underpinned by extensive research in public and private archives, provides comprehensive analysis of the group's original style and occult beliefs. Visually arresting in its own right, The Kindred of the Kibbo Kift: Intellectual Barbarians showcases a fascinating but overlooked body of work that has continuing resonance for twenty-first century oppositional art and culture.

 

 

革新的なビジョンが世の中から求められていた激動の時代に、近代化していく社会への反動とし て生まれたキボ・キフト。本書では、様々な影響を取り込みながら、思想や活動の内容が大きく 変化していった初期の創作物に注目し、これまで謎に包まれてきた組織の真相に迫る。

 

2015年9月、イギリス・ロンドンの書店Donlon Booksより出版。ロンドン博物館などからの協力を得て、それまで多くが未公開であった資料のコレクションを掲載。イギリス・ブライトン大学 の美術・デザイン史科で教鞭をとるアナベル・ポーレンによる解説文では、歴史的背景やハーグレイブの考案した思想などが詳しく記述されている(英語)。

 

 

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The Kindred of the Kibbo Kift (キンドレッド・オブ・キボ・キフト)とは?

 

「キンドレッド・オブ・キボ・キフト(以下「キボ・キフト」)」は1920年にイギリスで商業芸術家・作家の ジョン・ハーグレイブ(1894−1982)によって創設された。戦後の余波の中で、当時中心メンバーとして在籍 していたボーイ・スカウト運動の軍国主義的な傾向に幻滅したハーグレイブは、後に新しい組織キボ・キフトを結成する。キボ・キフトは、当時では珍しく老若男女を問わず受け入れ、近代化が進む社会を批判し理想の 世界の創造を志向したものであった。ハーグレイブが考案した独特の哲学は、健康や教育、経済のあり方について説く一方で、精神世界や魔術にまで広範な事柄を織り込み、しばしば人々を混乱させる複雑な内容であった。

 

参加者の総数は少なかったものの、著名な作家や芸術家、科学者、活動家を含む幅広い層からの支持を得てい た。参加メンバーや支持者の中には作家のD.H.ローレンスやH.G.ウェルズ、婦人参政権活動家のE.P.ローレン スにメアリー・ニール、科学者ジュリアン・ハクスリー、社会改革者ハヴェロック・エリスがいたという。本 書に掲載されている当時の写真は一時メンバーでもあった、舞台写真家のアンガス・マクビーンによって記録 されたものである。

 

心身の健全育成の為に行われたキャンプやハイキング、手工芸などの活動が盛んだった時期には、木彫品、紋 章、衣裳、テント、旗など、神秘的で独創性の高いデザインが施された創作物が多数残された。そのデザインは、ネイティブ・アメリカンからケルト族、抽象芸術や実験演劇、オカルトに至まで様々な影響を受けたものとなっているが、そこには彼らが抱いていた野心的な思想がはっきりと投影されている。 当時ヨーロッパで流行していた神秘的・超自然的な思想からの影響が色濃く反映されていた初期から政治的色 彩が強くなるにつれ、その創造性は次第に削ぎ落とされていく。1920年代半ばにソーシャル・クレジットの思想(社会信用論)に賛同したハーグレイブは、後に政治的な運動に力を入れ始める。その結果、キボ・キフトは1932年に「Green Shirt Movement for Social Credit」、1935年には「Social Credit Party of Great Britain」 と名前を変え政党に変ずるも、世界第二次世界大戦からの打撃を受け1951年に終止符を打った。

 

 

 

 

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『The Kindred of the Kibbo Kift: Intellectual Barbarians』(訳: キボ・キフト~知的な野蛮人たち~)

著: Annebella Pollen
出版: Donlon Books, 2015年
ハードカバー/270x190mm/228ページ/写真117点/定価6,500円+tax

 

 

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