
1991年から毎年ノルウェー・オスロで開催されている現代音楽の祭典「Ultima」。スカンジナビア最大規模であるこのフェスティバルと連携し、ノルウェーの偉大な作曲家アルネ・ノールヘイムをテーマとしたプロジェクト『Pollution Symphony』を開催します。
ノルウェーと日本のミュージシャンによる、ノールヘイムのトリビュートライブを軸に、彼の活動の軌跡を辿るドキュメンタリー映画(日本初公開)の上映に加え、1970 年の大阪万博開催時にスカンジナビア館で披露されたノールヘイムによる楽曲「Poly Poly (通称Pollution Symphony)」など、初期電子音楽を語る上で欠かすことのできない貴重な音源の数々と、当時の写真 / 資料のアーカイブを展示。
日本とノルウェー、過去と未来を繋ぐ革新的な作曲家が遺した<現代音楽>という“予言”に耳を澄まし、次なる時代の音景(サウンドスケープ)を見渡す。
北欧はノルウェーが生んだ現代音楽の巨匠、アルネ・ノールヘイム。
知られざるその魅力に迫るプロジェクト"Pollution Symphony"
Introduction

Arne Nordheim(アルネ・ノールヘイム)
1931年生まれ。60年代後半から初期電子音楽作品、声楽や管弦楽器のための作品などを多く制作したノルウェーの作曲家。オスロ音楽院(現在のノルウェー国立音楽アカデミー)で音楽理論、オルガンを学び、のちに作曲に転向。次いでコペンハーゲン、パリで電子音楽を学ぶ。97年には国際現代音楽協会の名誉会員に選出されるなど、本国のみならずヨーロッパを中心に世界的な現代音楽家として知られる。2006年にノルウェー国立音楽アカデミーより名誉博士号を授与される。2010年6月5日没。

Ultima Oslo Contemporary Music Festival
1991年以来、毎年オスロ市内で開催されてきた現代音楽フェスティバル「Ultima」。過去に累計560名以上の作曲家を約40カ国から招聘し1,500にも及ぶ公演を手がけた実績を持つスカンジナビア最大 規模のフェスティバル。会場となるのはミュージックホールはもちろん、オペラハウスや教会や聖堂、元・銀行など街の特性を活かした祭典となっている。
2015年の「Ultima」では「ベートーベン・リミックス」と名付けられた実験的な試みや、モートン・フェルドマン、カールハインツ・シュトックハウゼン、スティーブ・ライヒらの楽曲の「Ultima」的解釈のアンサンブル、そしてテリー・ライリーとノルウェー放送管弦楽団との共演、そして今回来日するシンガー・ソングライターのジェニー・ヴァル、そしてアコーディオン奏者のフローデ・ハルトリらが出演。現代音楽にオスロから新たな息吹を与える、そんなチャレンジ精神とユーモアに溢れる「Ultima」ならでは、の25周年の節目となった。
Program
1
Live:
ノールヘイム・トリビュートライブ SET A
Jenny Hval 、小林うてな
2017.02.10 fri Open 6:30pm/ Start 7:30pm @VACANT 2F

Jenny Hval / ジェニー・ヴァル
ノルウェーの女性シンガー・ソングライターJenny Hval (ジェニー・ヴァル)。ゴス・メタルバンドShellyz Ravenのボーカリストを経て、Rockettothesky名義の元、2006年にソロデビュー作をリリースし、その後5枚のアルバムを発表。2016年9月にリリースした最新作「Blood Bitch」はノルウェーのノイズ・インプロシーンでお馴染みのLasse Marhaugを共同プロデューサーに迎え、前作に続きブルックリンのSacred Bonesよりリリース。Swans、St.Vincent、Perfume Genius等の北米ツアーサポートにも抜擢され、ノルウェー国外での評価も高まりつつある中、待望の初来日。

小林うてな
長野県原村出身。東京を拠点に活動するソロアーティスト。ラップトップ、ラップ/オペラ/メタルなどから影響を受けた歌唱、スティールパン、マリンバ、シンセサイザー、パッドなどの機材を多様に用い、演奏手段を選ばない独創的な作曲スタイルを持つ。現在ソロ活動と平行して、D.A.N.のライブにサポートで参加する他、映画の劇中曲製作、楽曲アレンジ、音源制作等も手がける。これまで、バンド鬼の右腕を結成、2013年FUJI ROCK FESTIVAL ROOKIE STAGEに出演し同年解散。また、蓮沼執太フィル、トクマルシューゴ+、坂本美雨、Ackky、鈴木博文、ダニエル・クオンなどのライブ/レコーディングに参加。ミックスに葛西敏彦/マスタリングにseihoを迎え、2016年5月に初のソロアルバムを2.5D PRODUCTIONよりリリース。
2日間のライブ、上映に入場可能なチケット「2days PASS」 ¥5,500も限定販売中
2
Live:
ノールヘイム・トリビュートライブ SET B
Frode Haltli, オオルタイチ
2017.02.11 sat Open 6pm/ Start 7pm @VACANT 2F

Frode Haltli / フローデ・ハルトリ
7歳よりアコーディオンを始めたフローデ・ハルトリは、フォーク音楽から入り、その後様々なスタイルに移行し、卓越した技術を身につけ、同時に現代音楽の理解を深めた。ノルウェー国立音楽アカデミー、デンマーク音楽アカデミーで学んだ後、2002年にデビュー作「Looking on Darkeness」を名門レーベルECMよりリリースし、同作はノルウェーグラミー現代音楽部門受賞作にも選ばれた。アコーディオン奏者として世界的なソリスト、室内演奏者として地位を確立したハルトリは、サクソフォン奏者のTrygve SeimやPOING、作曲家のBent Sørensen、Hans Abrahamsen、Maja S.K. Ratkjeなどアーティストと共演。

オオルタイチ
1999年よりドアーズ、パズルパンクス、エイフェックス・ツインなどの影響の下、即興的なベッドルーム・ミュージック・スタイルで活動を開始。その後ダンスホールレゲエとの衝撃的な出会いから、打ち込みのベースの楽曲に非言語の"歌"をのせるスタイルへと変化。バンド・ウリチパン郡などの活動を経て2016年12月新たなユニット「ゆうき」としてアルバムをリリースした。活動の幅は他ミュージシャンへのリミックス・楽曲提供から、舞台音楽、アニメ映画の音響監督など多岐にわたる。
2日間のライブ、上映に入場可能なチケット「2days PASS」 ¥5,500も限定販売中
3
Film:
ノールヘイム関連ドキュメンタリー映画上映(2本立て)
2017.02.11 sat Open 12pm/ Start 1pm @VACANT 2F
『アルネ・ノールヘイム 、 職業=作曲家』
監督:イストヴァン・コヴァックス/1974年/ノルウェー/58分
現代作曲家、アルネ・ノールヘイムの素顔に迫ったドキュメンタリー映画。生音と電子音楽の合流点を探る70年代半ばに撮影され、その独創的なアイディアや姿勢をスタジオの内外で見る事が出来る。
『ヘニー・オンスタッド・アートセンター20年史』
監督:イストヴァン・コヴァックス/1988年/ノルウェー/51分
オスロ郊外に1968年創立されたHenie Onstad Art Centre(ヘニー・オンスタッド・アートセンター)は、ノルウェーや世界各国の現代美術作品約4000点を収蔵し、施設内では展覧会、音楽、パフォーマンスを日々開催しているノルウェーアートシーンの中心的存在。同ドキュメンタリーでは、アートセンターの初期ディレクターOle Henrik Moeのインタビュー等によるその歴史や、カールハインツ・シュトックハウゼン、キャシー・バーベリアン、マウリシオ・カーゲル、ジョン・ケージなど数多くの関連アーティストの貴重なアーカイブ映像も納められている。

Istvan Korda Kovacs (1934 – 1992)
ハンガリー系ノルウェー人のジャーナリスト、写真家、映画監督。1966年に当時共産主義国だったハンガリーを離れ、ロンドンでジャーナリズムの学校を出たのち、写真と映画作りを学ぶ。60年代後半にノルウェーに到着し、国営テレビ放送局のNRKに就職し、放送を開始して当時まだ10年にも満たなかった同局の、適切な映画製作の経験を持った最初のスタッフの一員として大きく貢献した。短期間の間に、Kovacsは小さい規模ながら急成長していたノルウェーのモダニストのシーンに入り込み、Arne Nordehim、Anna-Eva Bergmann, Ole-Henrik Moeなど当時の芸術や音楽の中心にいた人物の数多くを、密接でパーソナル、かつ実験的な手法で捉えた。
2日間のライブ、上映に入場可能なチケット「2days PASS」 ¥5,500も限定販売中
4
Exhibition:
『アルネ・ノールヘイム ・アーカイヴス』
2017.02.10 fri - 19 sun 12pm - 8pm @VACANT/Gallery 入場無料



70年の大阪万博開催時にスカンジナビア館で披露された楽曲「Poly Poly(通称Pollution Symphony)」など、初期電子音楽を語る上で欠かすことのできない貴重な音源の数々、当時の写真/資料のアーカイブの展示。
イベント情報
イベント名: Pollution Symphony/ポリューション・シンフォニー 〜アルネ・ノールヘイムの予言
会期: 2017年2月10日 (金)ー 11日 (土) ※展示は19日(日)迄
会場 : VACANT (東京都渋谷区神宮前 3-20-13)
Information
<アクセス>
東京メトロ 千代田線・副都心線「明治神宮前駅」5番出口より徒歩5分
JR山手線「原宿駅」竹下口より徒歩10分
東京メトロ 千代田線・銀座線・半蔵門線 「表参道駅」A2出口より徒歩10分
主催 : Cat Team
制作:VACANT
特別協力: Ultima Oslo Contemporary Music Festival
助成:MUSIC NORWAY、公益財団法人かけはし芸術文化振興財団、スカンジナビア・ニッポン ササカワ財団、ノルウェー王国大使館
協力:NRK 、FUGLEN





